2月17日付でセブン‐イレブン(以下S‐Eと略する)本社より、私たち「監視社会を拒否する会」の再質問に対する回答が出されました。その内容は、ことごとく私たちの批判や指摘をはねかえし、居直っているものです。S‐E本社のこうした対応に私たちは怒りを禁じえません。
この回答で、S‐E本社は、利用者の人権やプライバシーにどのような配慮をしているのか、という私たちの質問にはまったく答えることなく、何と逆に(!)当会とフリーライターの小谷洋之さんに対して「厳重に抗議」しています。すなわち、昨年12月24日の回答受け取りの際に、小谷さんがS‐E社員を「断りなく写真撮影したこと」は、「貴会が主張するプライバシー保護と相矛盾する言動」であり、「当社の誠意を無視」するものだ、というのです。盗人猛々しいにもほどがある、というものです。各店舗で利用者の顔や姿を本人の同意もなしに撮影しているのがS‐E本社ではありませんか。こういう隠し撮りをしている当事者に、人権無視の撮影がいかに不愉快なことであるかを感じてもらうために、小谷さんは、パフォーマンスをしたにすぎません。このことは、当日小谷さんが、S−Eの社員に懇切丁寧に説明したことです。自らのドーム型カメラについて、人権尊重の観点からふり返ることを一切おこなわないで、私たちに抗議するこのような態度を、「省みて他をいう」というのではないでしょうか。
S‐Eの各店舗では本社の指示によって、SOK(綜合警備保障)管理のドーム型カメラを出入口の上に二つ設置し、出入りする利用者の顔や姿を正面から撮影しています。しかも、このドーム型は一見カメラとは見えないような偽装が凝らされています。私たちは、こうした利用者のプライバシー権を侵害する隠し撮りに抗議しています。しかし、S‐E本社は、これに何一つ具体的に答えてはいません。
実際、回答の内容は、カメラは「防犯目的」で「警察当局の行政指導に基づいて」設置しているのだから問題ない、という居直りであり、「ドーム型のカバーの用途は、カメラの破損等を防ぐためのもの」というゴマカシです。店外での「事件」をも理由にして警察に映像記録を提供しているのではないか、という質問に対しては、警察からの文書の「内容の要件を確認した上で協力している」というような問題のすりかえ、等々です。 とりわけてヒドイのは、監視カメラの「運用基準について開示はしません」と、居直っている点です。警察でさえ管轄の監視カメラの運用基準を、批判の声の高まりに押されて、一応は開示しているのであって、S‐Eだけが「防犯上」開示できない、などというのはまったく理由になりません。S‐E本社は、徹底して人権無視の姿勢をとるというのでしょうか。
S‐E本社は、今回の回答で、警察への協力を「安全安心な社会をつくることは市民の義務の一つです」と胸を張っています。これは、「安全安心まちづくり」という標語を掲げた警察庁の生活安全局(いわゆる「生安」)の追求に呼応するものです。生安警察の発想は、「安全安心」といった耳障りのよい言葉で粉飾されていますが、すべての国民を犯罪予備軍あつかいして、あらかじめ監視しておく、という戦前・戦中の治安維持法下の警察の手法を形をかえて復活させるものといえます。その生安が、第二の交番と位置づけているのが、コンビニエンスストアであり、S‐E本社の回答は、この役割を積極的に果たすことの宣言だといわなくてはなりません。
私たちは、利用者の人権を踏みにじるS‐E本社の対応に対して、改めて抗議すると同時に、ただちに隠し撮りをやめ、映像記録の店外での利用を中止すべきことを強く要求します。