更新:2005年11月18日(金) 20:30 (日本時間)
■ コンテンツ
■ トップ>>監視社会の実態>>「顔認証システム」導入実験中止要請
トップページ
会の趣旨
主張・行動提起
「NO!監視」ニュース
監視社会の実態
コラム
マスメディアから
国外では
資料
リンク
■ お願い

当サイト及び「『NO!監視』ニュース」についてのご意見・ご感想をFAX、お手紙、Eメールでお寄せください。
投稿も募集しています。


11名の学者が「地下鉄霞ヶ関での『顔認証システム』導入実験の中止を求める」要請書を提出
 

 

 国土交通省と(財)運輸政策研究機構は、10月18日の「顔認識システム」研究会において、06年4月頃に地下鉄東京メトロ霞ヶ関で「顔認証システム」を導入した監視カメラの実証実験を行うことを決めた、との報道がなされました 。
 この決定に対して、11月15日に、足立昌勝(関東学院大学教授)をはじめとして11名の学者が連名で実験の中止を求める要請書を国土交通省と(財)運輸政策研究機構に提出しました。この中止要請には当会の共同代表も参加しています。
 当会もこの中止要請を支持し、今後、支援の取り組みを行います。

 以下に、発表されたコメントと実験中止要請書を掲載します。



11月15日に発表されたコメント

 本日、私たちは、文書をもって、国土交通省と財団法人運輸政策研究機構に対して、来年4月頃に予定されている地下鉄東京メトロ霞ヶ関駅での「顔認証システム」導入実験の中止を求めました。
 運輸政策研究機構が全ての鉄道会社を網羅した組織であることにかんがみるならば、この霞ヶ関駅での実験は、東京メトロだけでなく、少なくとも都市部の鉄道のあらゆる改札口に「顔認証システム」を設置することを展望した技術的実験である疑いが濃厚です。もしも、全ての改札口に「顔認証システム」が導入されれば、運転免許データファイルの顔写真などを照合することによって、ほとんど全ての人がいつどの駅から乗ってどの駅で降りたかを把握することが可能となる文字通りの「人間Nシステム」が、つくられてしまいます。私たちは、このような人権無視のシステム構築につながる実験を容認することはできませんので、実験中止を求めた次第です。

足立昌勝(関東学院大学教授
) 石埼 (亜細亜大学助教授) 伊藤成彦(中央大学名誉教授) 石村耕治(白鴎大学教員) 右崎正博(獨協大学教授)  北野弘久(日本大学名誉教授) 吉川経夫(法政大学名誉教授) 清水雅彦(明治大学教員) 田島泰彦(上智大学教授)  星野安三郎(東京学芸大学名誉教授) 村井敏邦(龍谷大学教授)
 


地下鉄霞ヶ関駅での「顔認証システム」導入実験の中止を求める

2005年11月15日

国土交通省 殿

財団法人 運輸政策研究機構 殿
 

足立昌勝(関東学院大学教授) 石埼 (亜細亜大学助教授) 伊藤成彦(中央大学名誉教授) 石村耕治(白鴎大学教員) 右崎正博(獨協大学教授)  北野弘久(日本大学名誉教授) 吉川経夫(法政大学名誉教授) 清水雅彦(明治大学教員) 田島泰彦(上智大学教授)  星野安三郎(東京学芸大学名誉教授) 村井敏邦(龍谷大学教授)

 

連絡先:上智大学文学部新聞学科 田島泰彦研究室
102-8554 千代田区紀尾井町7−1
TEL&FAX 03-3238-3628

 

 新聞報道によれば、貴国土交通省と貴財団法人運輸政策研究機構は、去る10月18日の「顔認証システム」研究会において、来年4月ごろに地下鉄東京メトロ霞ヶ関駅で「顔認証システム」を導入した監視カメラの実証実験を行うことを決められたそうです。この実証実験は、2〜3ヵ月かけて、識別精度およびカメラの必要台数など技術的な課題を検証するとされます。
 改札口を通過する市民一人ひとりを複数のデジタルカメラで撮影し、あらかじめ用意したデータベースと照合する(「危険人物」と判明すれば警備員の携帯電話に知らせる)というシステムが、わが国憲法が保障するプライバシーの権利に照らして、はたして許されるか否かという根本的問題を問うことなく、こうした技術的実験を実施することには重大な疑義があります。
 憲法13条にもとづいて、「何人も、その承諾なしにみだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由を有する」ことが認められ、例外的に公権力による写真撮影が許容されるのは、「現に犯罪が行なわれ、もしくは行なわれたのち間がないと認められる場合」に限定されております(1969年12月24日最高裁判決)。また、特定場所の動画撮影・録画が許容されうる要件は、@当該現場において犯罪が発生する相当高度の蓋然性が認められる場合であり、Aあらかじめ証拠保全の手段、方法をとっておく必要性および緊急性があり、Bその撮影、録画が社会通念に照らして相当と認められる方法であること、と厳格に規定されています(1988年4月1日東京高裁判決)。
 これらの判例を無視する措置が、「テロ対策」の名目において正当化されるならば、わが国は法治国家の名を捨てることになるのではないでしょうか。
 そもそも、昨今激増している公共空間における「防犯カメラ」という名の監視カメラには何の法的根拠も存在していません。「犯罪防止」を理由にして、何の制限もなく国民のプライバシーの権利が蹂躙されることを許容することはできません。
 私たちは、監視カメラにかんする法的・倫理的な問題についての厳密な検討もなしにおこなわれようとしている「顔認証システム」の導入実験をただちに中止するよう強く要請するものです。
 


このWebサイトに関するすべての著作権および関連する権利は「監視社会を拒否する会」に属します。
このサイト内の文章・画像などを、ハイパーリンクで紹介することは完全に自由です。
また、ハイパーリンク以外の形態(コピペ・フレーム・IFRAME・ILAYER含む)で、あるいはインターネット外部で紹介・引用する場合は、引用元として私たちの名称“監視社会を拒否する会”およびこのサイトのURL(http://www006.upp.so-net.ne.jp/kansi-no/index.htm)を併記してください。 Webページからの引用の場合、加えてこのサイトのトップページまたは引用元ページのいずれかにリンクをお張りください