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新宿や池袋を歩いていると街灯に次のような宣伝文句がことさらに目立つように掲げられている。まるで「カメラが見守る安心な街」「防犯カメラ設置、客引き禁止」、と。まるで監視カメラを設置していることを売り込むかのようなこうした宣伝文句を見ると、薄気味悪くなるのは私だけだろうか。あたかも「消費者である市民の安全を第一に考えて、防犯カメラを設置した」かのように押し出している。しかし、巨大な高性能監視カメラは、誰彼と区別なくすべての通行人の顔や姿を無断で撮影し記録している。犯罪予防のためだ、というが、通行人すべてを犯罪予備軍とみなして、あらかじめ見張っておこうという発想だ。カメラの向こう側で、いったい、誰がどのようにモニターし、記録はどう扱われているのか。私たち市民はまったく関知できない。監視されることを甘んじて受け入れなければ買い物も食事もできない、というわけだ。
それにしても、こうした街頭の監視カメラ網が、なぜ今になって急増しているのか。昨年12月19日付朝日新聞夕刊によれば、池袋西口への監視カメラの設置に関して、「商店会がつくる生活安全協議会が、監視カメラの設置を都知事に要望した」とされている。この生活安全協議会とは、2000年11月制定の「豊島区生活安全条例」(第九条)にのっとり、警視庁生活安全課の肝いりでつくりだされた。この条例の第七条で、「共同住宅、物品販売業を営む店舗又はホテル」などを新築する者に、「防犯カメラ」を設置するように区長が指導することを義務づけている。
このように、今、全国で生安警察が、商店街やマンション・ホテルなどに、軒並み「防犯カメラ」という名の監視カメラを設置するよう「指導」している。
事件が起こってから捜査する司法警察(刑事警察)と異なって、「犯罪の予防」の名のもとに予防弾圧を行う行政警察が戦前の治安維持法下の日本で、猛威を振るった。現在、「安全、安心まちづくり」というソフトなキャッチフレーズをつけて、「犯罪予防」を主な任務として「活躍」しているのが、1994年新設の警察庁生活安全局だ。この生安警察が、監視カメラネットワークづくりの先頭に立っている。
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