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防犯カメラ、街に急増中、「犯罪抑止、自分たちで」――人権めぐり慎重論も。 |
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| 2003/04/30 日本経済新聞 夕刊 |
刑法犯の認知件数が六年連続で最悪を更新し続ける中で、「自分の街は自分で守るしかない」とばかりに、東京都内の町内会や商店街で防犯カメラの設置が相次いでいる。市民団体などには通行人らのプライバシーを侵害すると危ぐする声も根強いが、あちこちでにらみを利かせるカメラへの違和感は薄れているようだ。
警視庁などによると、防犯カメラを設置しているのは現在、都内十七地区。昨年二月、同庁が新宿・歌舞伎町に五十台設置、今年二月末までの一年間で同地区の刑法犯認知件数が五百七十一件と前年比約一三%減る効果があったことも機運を盛り上げたようだ。
昨年から今年にかけて「西銀座並木通り商店街」(中央区)、「浅草新仲見世商店街」(台東区)など八カ所が設置に踏み切り、台数を増やした商店街も三カ所ある。
三月下旬、江戸川区の三十七の町内会や商店街は共同でJR小岩駅周辺に六十台のカメラを設置した。約三千三百万円の費用は住民の募金や商店街の協賛金。昨年五月の暴力団組員による発砲事件を機に「住民の危機感が強まった」(南小岩自治連合会)こともあり、当初目標の約五倍の資金が集まった。
JR御徒町駅周辺の宝石、貴金属の小売り、卸業者百三十店でつくる「ジュエリータウンおかちまち」も六月に二十三台を設置する予定。街に来た人や車両ナンバーはすべて撮影できるようにカメラを配置し、「犯罪者にとって手ごわい番犬になれば」と期待している。
各商店街や町内会とも、個別事件について警視庁から捜査資料として求められれば映像を提供している。映像が犯人検挙につながれば、カメラの犯罪抑止効果も一段と高まると積極的だ。
ただ、民間から任意提出された映像を第三者がチェックする仕組みはなく、防犯カメラの普及には慎重論もある。
市民団体「監視社会を拒否する会」の共同代表、田島泰彦上智大文学部教授(新聞学)は「警察が本来の捜査目的以外で映像を使う可能性は完全には払しょくできず、プライバシーが侵害される恐れがある」と指摘。「消費者の行動をすべて監視するようになれば息苦しい社会になる」と懸念している。
【図・写真】発砲事件を機に設置された防犯カメラ(東京都江戸川区)
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